業務独占と名称独占
昨日、薬剤師の知人に声をかけられました。なんでも、私に聞きたいことがあったんだそうです
内容は、
「コレステロール値が下がらなくて苦しんでいる患者さんがいる」
「栄養指導をしたいのだけれど、どうしたらコレステロール値下がる食事になるの?」
というもの。
微妙な気分になりました。
頼りにされて嬉しい反面、それを私に聞かなくちゃ何も話せない人が、栄養指導をするのか。。。
管理栄養士の仕事は「名称独占」と言います。管理栄養士の国家資格を持っていなければ、管理栄養士と名乗って仕事をする事はできません。
....つまり、裏を返せば、管理栄養士を名乗らなければ、同じ仕事をしてもよい、ということ。
一方で、医師や看護師、薬剤師は「業務独占」です。国家資格が無ければ、業務そのものを行ってはいけません。
(ブラックジャックは腕は良くても、資格がないからここの所がまずいんですね。)
管理栄養士は国家資格ですし、取るのはなかなか大変なのですが、社会的な地位は高いとは言えません。正直、仕事もあんまりありません。お給料も安いです。
それは、名称独占だからというのも大きいのかなと、改めて思いました。
先の知人は、薬剤師として栄養指導を行うのでしょう。
それが、個人的な行為なのか業務なのかは聞かなかったけれど。
正直、それが管理栄養士の実情。忸怩たる思いです。これでは、管理栄養士の職場は増えませんよね。
管理栄養士が食事指導をすれば、食事記録から具体的にアドバイスしたりできるんですけれど。今は大学でも、患者への継続的な支援のためのカウンセリングの勉強時間もたっぷり取っているのです。
「○○を食べればコレステロール値は下がります!」って言えないですよ。。。
その人の生活習慣、生活環境、嗜好、いろんなことを考えてサポートするのが管理栄養士の仕事です。
これから同じような事をたくさん聞かれるのかな。
そのとき、気軽に返事をする事は良くないな、と思いました。
患者を診ていないのに、発言に責任が持てないよな。
気軽に知識の無償配布をしていたら、医療の現場に管理栄養士の存在意義が伝わらないな。
こんなことを考えた週末でした。
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